【2026年最新】2人で会社設立する費用はいくら?株式会社・合同会社の違いと節約術

2人で会社設立を目指すとき「費用はいくら?」「株式会社と合同会社、どっちがいい?」といった疑問や、共同経営ならではの不安を感じていませんか?

本記事では、2人での会社設立にかかる費用を株式会社なら約20万円、合同会社なら約6万円からと結論を示し、それぞれのメリット・デメリットを徹底解説。

さらに、事業計画や2人の関係性に最適な会社形態の選び方から、設立手続きの流れ、費用を最大4万円節約するテクニック、後々のトラブルを防ぐ共同経営契約書の作り方まで網羅的に紹介します。

この記事を読めば、2人での会社設立に関する全ての疑問が解決し、後悔のない最適な選択ができるようになります。

結論 2人での会社設立費用は株式会社で約20万円 合同会社で約6万円から

2人で新しく会社を立ち上げる際、まず把握しておきたいのが設立にかかる初期費用です。

結論からお伝えすると、会社設立に最低限必要な「法定費用」は、株式会社で約20万円から、合同会社であれば約6万円からとなります。

この金額は、設立する会社の形態(株式会社か合同会社か)や、定款の作成方法によって変わります。

これらの費用は、専門家への報酬などを除いた、国や公証役場に支払う必要不可欠なコストです。

以下で、それぞれの費用の詳細な内訳を解説します。

株式会社は、その社会的信用の高さから、将来的な資金調達や事業拡大を目指す2人にとって魅力的な選択肢です。

ただし、設立手続きが比較的複雑で、合同会社に比べて法定費用も高額になります。

具体的にどのような費用が発生するのか、以下の表で確認しましょう。

費用の種類紙の定款の場合電子定款の場合備考
定款用収入印紙代40,000円0円定款の原本に貼り付ける印紙代。電子定款では不要。
定款認証手数料30,000円~50,000円30,000円~50,000円作成した定款を公証役場で認証してもらうための手数料。資本金の額により変動。
登録免許税150,000円150,000円法務局で設立登記を行うための税金。(資本金額×0.7%が15万円に満たない場合は一律15万円)
合計約220,000円~約180,000円~資本金100万円未満の場合の概算。

表からもわかる通り、紙の定款で手続きを進めると合計で約22万円以上の費用が必要となります。

しかし、電子定款という方法を選択すれば、収入印紙代の4万円がまるごと不要になり、費用総額を約18万円からに抑えることが可能です。

これは2人で会社を設立する上で非常に大きな節約ポイントとなります。

合同会社は、株式会社に比べて設立費用を大幅に抑えられる点が最大のメリットです。

経営の自由度も高く、意思決定が迅速に行えるため、気心の知れた2人でスピーディーに事業を始めたい場合に最適な形態と言えます。

株式会社との最も大きな違いは、公証役場での「定款認証」が不要であることです。

これにより、認証手数料がかかりません。

費用の種類紙の定款の場合電子定款の場合備考
定款用収入印紙代40,000円0円株式会社と同様、電子定款の場合は不要。
登録免許税60,000円60,000円法務局で設立登記を行うための税金。(資本金額×0.7%が6万円に満たない場合は一律6万円)
合計100,000円60,000円定款認証が不要なため、株式会社より安価。

合同会社の場合、紙の定款でも10万円と株式会社の半分以下の費用で設立できますが、こちらも電子定款を利用するメリットは絶大です。

電子定款であれば、登録免許税の6万円のみで設立手続きが完了します。

設立コストをできる限り抑え、その分を事業資金に回したいと考える2人にとっては、合同会社は非常に合理的な選択肢となるでしょう。

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株式会社と合同会社 2人で設立するならどちらが最適か

2人で会社を設立する際、最初に直面するのが「株式会社」と「合同会社」のどちらを選ぶかという大きな決断です。

この選択は、設立費用だけでなく、将来の事業展開、資金調達のしやすさ、そして何より2人のパートナーシップのあり方にまで深く関わってきます。

それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、2人が描く会社の未来像に最適な形態を選びましょう。

以下に、それぞれの会社形態の特徴と、どのようなケースでどちらが適しているかを詳しく解説します。

まずは比較表で全体像を把握しましょう。

比較項目株式会社合同会社
設立費用(目安)約20万円〜約6万円〜
社会的信用度高い株式会社に比べると低い傾向
資金調達の方法融資、出資(株式発行)、社債など多様融資、社員からの出資が中心
意思決定株主総会(出資比率に応じた議決権)原則として社員全員の同意(定款で変更可)
利益の配分出資比率(株式数)に応じて配当定款で自由に決定可能
役員の任期原則2年(非公開会社は最長10年)※任期ごとに登記が必要任期なし(定款で定めることも可能)
決算公告の義務義務あり義務なし

もし2人の間で「将来は事業を大きくしたい」「外部から資金を調達して一気に成長させたい」「上場(IPO)も視野に入れている」といった共通のビジョンがあるなら、株式会社が最適な選択肢となります。

株式会社の最大のメリットは、その高い社会的信用度です。金融機関からの融資審査や、大手企業との取引において「株式会社」という形態は有利に働くことが多くあります。

また、株式を発行して投資家から出資を募る、といった大規模な資金調達が可能になるのも株式会社ならではの強みです。
これは、スピーディーな事業拡大を目指す上で欠かせない要素と言えるでしょう。

2人で設立する場合、株式の所有(株主)と会社の経営(取締役)を分離して考えることができるため、役割分担を明確にしやすいという利点もあります。

例えば、1人は出資のみを行う株主、もう1人は経営に専念する代表取締役、といった柔軟な体制を組むことも可能です。

将来的に従業員が増えたり、新たなパートナーが加わったりする際にも、ルールが明確な株式会社の仕組みは組織の安定に繋がります。

「まずはスモールスタートで始めたい」「初期費用やランニングコストをできるだけ抑えたい」「2人の実情に合わせて柔軟に運営したい」と考えるなら、合同会社が非常に魅力的です。

合同会社の最大のメリットは、設立・維持コストの低さと経営の自由度の高さにあります。

設立費用は、定款の認証が不要で登録免許税も安いため、株式会社の約3分の1程度に抑えられます。
また、役員の任期がないため数年ごとの役員変更登記が不要で、決算公告の義務もないなど、設立後のランニングコストも安く済みます。

さらに特筆すべきは、利益配分の自由度です。

株式会社では出資比率に応じて利益を配当するのが原則ですが、合同会社では定款で定めることにより、出資比率に関係なく利益を配分できます。

例えば、出資額は50:50でも、事業への貢献度が大きいパートナーに利益の60%を配分する、といった柔軟な取り決めが可能です。

意思決定も迅速に行えるため、2人で話し合いながらスピーディーに事業を進めたい場合に最適な形態です。

会社形態の選択は、共同経営者である2人の関係性によっても最適解が変わってきます。

信頼関係の深さや、将来のリスクをどう考えるかが重要な判断基準となります。

夫婦・親子で設立する場合

夫婦や親子など、家族で設立する場合は、もともとの信頼関係が強固で、利害が一致しやすいため、経営の自由度が高い合同会社が向いているケースが多く見られます。
意思決定がスムーズで、利益の配分も家族内で柔軟に調整しやすいためです。ただし、万が一の離婚や相続といった事態を考慮する必要もあります。
将来の事業承継や財産分与まで見据えるなら、株式の譲渡制限などを定款で明確に規定できる株式会社も有力な選択肢となり、トラブルを未然に防ぐ仕組みを構築できます。

友人・同僚と設立する場合

友人や仕事仲間と設立する場合は、よりビジネスライクな関係性を築くことが成功の鍵となります。
「親しき仲にも礼儀あり」という言葉通り、お金や権限に関するルールを明確にしておくことが不可欠です。
この場合、所有(出資比率)と経営(議決権)のルールが法律で厳格に定められている株式会社の方が、後々のトラブルを避けやすいと言えます。
株式の譲渡に会社の承認を必要とする「譲渡制限株式」の仕組みを使えば、知らない第三者が経営に介入してくるリスクも防げます。
ビジネスパートナーとしての関係を長く維持し、将来の意見対立などのリスクに備えるためには、ルールが明確な株式会社が適していると言えるでしょう。
もし合同会社を選ぶ場合は、共同経営契約書を別途作成し、業務分担や報酬、脱退時のルールなどを詳細に定めておくことが極めて重要です。

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2人で会社を設立する流れと各ステップの重要ポイント

2人で会社を設立するプロセスは、1人で行う場合と基本的には同じですが、各ステップで「2人だからこそ」決めておくべき重要なポイントが存在します。

パートナーとの円滑な共同経営を実現するため、設立準備の段階からしっかりと話し合い、認識を合わせておくことが成功の鍵です。

ここでは、会社設立の具体的な流れと、共同経営ならではの注意点を詳しく解説します。

会社設立の第一歩は、会社の骨格となる基本事項を決定することです。

これらは定款にも記載する重要な情報であり、2人の事業の方向性を定める羅針盤となります。

後々のトラブルを避けるためにも、一つひとつ丁寧にお互いの意見をすり合わせましょう。

商号 事業目的 本店所在地など

会社の基本情報は、登記申請時に必要となるだけでなく、事業のブランドイメージや将来の展開にも影響を与えます。

2人で納得のいくまで議論を重ねることが大切です。

主な決定事項とポイントは以下の通りです。

決定事項内容と2人で決める際のポイント
商号(会社名)会社の顔となる名前です。事業内容が伝わりやすく、覚えやすいものが理想です。
使用したい商号が同一本店所在地で既に登記されていないか、法務局のサイトなどで確認が必要です。
2人の想いやビジョンを込めた名前にしましょう。
事業目的どのような事業を行うかを具体的に記載します。
将来的に展開する可能性のある事業も、許認可が不要なものであれば幅広く記載しておくと、後から定款変更する手間と費用を省けます。
許認可が必要な事業の場合は、その要件を満たす文言を正確に記載する必要があります。
本店所在地会社の住所のことです。自宅、賃貸オフィス、バーチャルオフィスなど選択肢は様々です。
どちらかの自宅を本店所在地にする場合は、賃貸契約上問題ないか確認しましょう。
2人の自宅の中間地点や、事業内容に適したエリアを選ぶことも重要です。
資本金の額事業の元手となる資金です。1円から設立可能ですが、会社の信用度や当面の運転資金を考慮して決定します。
2人がそれぞれいくら出資するのか、その比率を明確に決めておく必要があります。
事業年度(決算期)会社の会計期間の区切りです。
自由に決められますが、事業の繁忙期を避けて設定すると、決算業務に集中しやすくなります。
消費税の免税期間を最大限活用したい場合は、設立日から最も遠い月を決算月にするといった戦略もあります。
役員構成誰がどのような役職に就くかを決めます。
特に、会社の代表権を持つ「代表取締役」を誰にするかは非常に重要です。
2人とも代表取締役になることも可能です。

会社の基本事項が決まったら、それらの情報を基に「定款(ていかん)」を作成します。

定款は「会社の憲法」とも呼ばれる最も重要な規則であり、会社の運営ルールを定めたものです。

特に2人での会社設立では、将来起こりうる意見の対立やトラブルに備えた条項を盛り込むことが極めて重要になります。

共同経営で必須の記載事項とは?

共同経営を円滑に進め、万が一の事態に備えるために、定款には以下の事項を盛り込むことを強く推奨します。
これらは「相対的記載事項」と呼ばれ、記載がないと効力が生じないものです。

  • 株式の譲渡制限に関する規定
    これは共同経営において最も重要な規定の一つです。自分の知らない第三者にパートナーが株式を売却し、経営に介入してくる事態を防ぐため、「株式を譲渡するには株主総会(または取締役会)の承認を要する」という一文を必ず入れましょう。これにより、会社の経営権が意図せず外部に渡るリスクを回避できます。
  • 役員の任期
    株式会社の役員(取締役)の任期は、最長10年まで伸長できます。しかし、共同経営で意見が対立した場合などを想定し、あえて任期を1年や2年などの短期間に設定することも有効な戦略です。任期満了のタイミングで、役員を再任するかどうかを株主総会で判断できるため、経営の柔軟性が高まります。
  • 株主総会の決議要件
    会社の重要な意思決定は株主総会で行われます。特に重要な決議(定款変更、事業譲渡など)である「特別決議」は、通常「議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上」の賛成が必要です。この要件を定款でさらに厳しく(加重)することも可能です。

定款の作成・認証(株式会社の場合)が終わったら、次に資本金を払い込みます。

これは、発起人(会社設立時の出資者)が、決定した出資額を個人の銀行口座に振り込む手続きです。

設立登記の際には、この払込みがあったことを証明する書類(通帳のコピーなど)が必要になります。

出資比率と議決権の関係を理解する

2人で会社を設立する際、資本金の出資比率は経営の主導権に直結するため、慎重に決定しなければなりません。
原則として、「出資比率=株式の保有比率=議決権の比率」となります。
議決権は、株主総会で会社の重要事項を決定するための投票権です。

例えば、出資比率を「50%:50%」にした場合、2人は完全に対等なパートナーとなります。
しかし、意見が真っ二つに割れた際に意思決定ができなくなる「デッドロック」という状態に陥るリスクを抱えています。
一方、「51%:49%」のように差をつけると、多数派の意見で普通決議を可決できるため意思決定はスムーズになりますが、少数派の意見が通りにくくなる可能性があります。
どちらの比率が良いかは、2人の信頼関係や役割分担によって異なります。

議決権の保有比率単独で可能になること(主な例)
3分の2以上定款の変更、事業の全部譲渡、合併・解散など、会社の根幹に関わる「特別決議」を可決できる。事実上、会社の経営を完全にコントロールできる。
過半数(50%超)役員の選任・解任、役員報酬の決定など、経営の基本的な事項である「普通決議」を可決できる。
3分の1超特別決議を単独で否決できる。重要な経営判断に対して拒否権を持つことになる。

定款の作成、資本金の払込みが完了したら、いよいよ法務局へ会社の設立登記申請を行います。

登記申請書や定款、資本金の払込証明書など、必要な書類をすべて揃えて提出します。

この登記申請日が、会社の公式な設立日(創立記念日)となります。

書類に不備がなければ、申請から1週間〜10日ほどで登記が完了し、会社の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を取得できるようになります。

2人とも代表取締役になることは可能か?

結論から言うと、2人とも代表取締役になることは可能です。
その場合、登記の方法として主に「各自代表」と「共同代表」の2つの形態があります。
どちらを選ぶかによって権限や責任が大きく異なるため、2人の関係性や事業運営のスタイルに合わせて慎重に選択する必要があります。

  • 各自代表
    複数の代表取締役が、それぞれ単独で会社を代表する権限を持ちます。
    つまり、AさんもBさんも、1人で契約を締結したり、銀行から融資を受けたりすることができます。
    メリットは機動力の高さですが、パートナーに相談なく重要な決定をされるリスクも伴います。
    登記上は、単に「代表取締役」として2名の名前が記載されます。
  • 共同代表
    複数の代表取締役が、共同でなければ会社を代表する行為(例:契約締結)ができない制度です。
    常に2人の合意が必要になるため、一方の独断専行を防ぎ、慎重な経営ができるというメリットがあります。
    一方で、契約のたびに2人の署名・捺印が必要になるなど、手続きが煩雑になりスピード感が損なわれるデメリットがあります。
    登記上は「共同して会社を代表する」旨が明記されます。

一般的には、機動性を重視して「各自代表」を選択するケースが多いですが、相互の牽制を強く効かせたい場合は「共同代表」も有効な選択肢となります。

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2人での会社設立費用を賢く節約する4つのテクニック

2人で会社を設立する際、初期費用はできるだけ抑えたいものです。

特に共同経営では、事業が軌道に乗るまでの運転資金を確保するためにも、設立コストの節約は非常に重要です。

ここでは、誰でも実践できる設立費用を賢く節約するための4つの具体的なテクニックを詳しく解説します。

会社設立費用のうち、大きな割合を占めるのが定款に貼付する収入印紙代です。

株式会社・合同会社を問わず、紙の定款を作成する場合、印紙税法により4万円の収入印紙が必要となります。

しかし、電子定款という方法を選択すれば、この収入印紙代4万円をまるごと節約できます。

電子定款とは、紙ではなくPDF形式で作成された定款のことです。

電子データは印紙税法上の「課税文書」に該当しないため、収入印紙が不要になるのです。

2人で設立する場合でも、発起人(株式会社)または社員(合同会社)となる2人分の電子署名を行えば、問題なく利用できます。

項目紙の定款電子定款
収入印紙代40,000円0円(4万円の節約)
作成に必要なもの紙、印刷機、製本テープなどマイナンバーカード、ICカードリーダライタ、PDF署名ソフトなど
メリット特別な機材が不要印紙代が不要。オンラインで手続きが完結する。
デメリット印紙代が高い。法務局へ出向く必要がある。専用の機材やソフトの準備に手間と初期費用がかかる。

ご自身で電子定款を作成するには専用の機材やソフトが必要になりますが、司法書士や行政書士などの専門家や、後述する会社設立サービスは、これらの設備を整えています。
そのため、専門家に依頼しても、ご自身で紙の定款を作成するよりトータルコストが安くなるケースがほとんどです。

会社設立手続きは複雑なため、司法書士や行政書士、税理士といった専門家に依頼することを検討する方も多いでしょう。

専門家に依頼すれば、書類作成のミスを防ぎ、スムーズに設立手続きを進められますが、その報酬は事務所によって大きく異なります。

そこで重要になるのが「相見積もり」です。

最低でも2〜3社の専門家から見積もりを取り、料金だけでなくサービス内容をしっかり比較検討しましょう。

安さだけで選んでしまうと、「定款作成のみで登記申請は別料金だった」「設立後の顧問契約が必須だった」といったトラブルに繋がりかねません。

相見積もりを取る際は、以下の点を確認することが大切です。

  • 見積もりに含まれるサービス範囲(定款作成、登記申請、設立後の届出など)
  • 電子定款に対応しているか
  • 追加料金が発生する可能性の有無
  • 2人での共同経営に関するアドバイスや契約書作成のサポートは可能か
  • 設立後の税務や法務に関するサポート体制

2人での会社設立は、1人での設立以上に決めるべき事項が多く、将来のトラブルを避けるための取り決めも必要です。

費用だけでなく、共同経営に関する知見が豊富で、親身に相談に乗ってくれる信頼できる専門家を見つけることが、節約以上に重要なポイントと言えるでしょう。

「専門家に依頼するほどの予算はないけれど、自分で一から調べるのは大変」という方におすすめなのが、オンラインの会社設立サービスです。

近年、「マネーフォワード クラウド会社設立」や「freee会社設立」など、多くの企業が安価で手軽なサービスを提供しています。

これらのサービスは、Webサイトの質問に答えていくだけで、定款や登記申請書などの必要書類を自動で作成できるのが最大の魅力です。

多くは電子定款に対応しているため、収入印紙代4万円の節約も可能です。

会社設立サービスは、主に以下のタイプに分けられます。

サービスタイプ費用の目安特徴注意点
完全無料型0円書類作成システムを無料で利用できる。登記申請は自分で行う必要がある。提携サービスの契約が条件の場合がある。
代行手数料型5,000円〜書類作成から登記申請までを格安で代行してくれる。サポート範囲が限定的な場合がある。
専門家提携型0円〜サービスと提携している司法書士や税理士が手続きを代行する。設立後の顧問契約がセットになっていることが多い。

2人で設立する場合、共同代表の可否や出資比率の自由な設定など、共同経営特有の項目にサービスが対応しているか事前に確認しましょう。

サービスによってはテンプレート的な設定しかできず、柔軟な会社設計が難しい場合もあるため、利用規約やFAQをよく読むことが大切です。

コストとサポート内容のバランスを見極め、自分たちの状況に最適なサービスを選びましょう。

資本金は原則として金銭で払い込みますが、「現物出資」という方法を使えば、手元の現金を減らさずに資本金を増やすことができます。

現物出資とは、金銭の代わりに自動車やパソコン、不動産、有価証券といった「モノ」を出資する方法です。

例えば、設立する会社で使う予定のパソコン(評価額15万円)と自動車(評価額85万円)を現物出資すれば、現金を使わずに資本金100万円を確保できます。
これは、事業開始時に手元の運転資金を少しでも多く残しておきたい2人にとって、非常に有効な選択肢です。

ただし、現物出資には注意点もあります。出資する財産の価額を適切に評価する必要があり、原則として裁判所が選任した検査役による調査が求められます。

しかし、以下の条件を満たす場合は、この検査役の調査が不要となり、手続きを大幅に簡略化できます。

  • 現物出資財産の合計価額が500万円以下の場合
  • 市場価格のある有価証券で、定められた方法で算定された価額を超えない場合
  • 弁護士や税理士などによる価額が相当であることの証明を受けた場合(不動産を除く)

特に「合計価額500万円以下」という条件は利用しやすく、2人でそれぞれが事業に使うPCやデスクなどを持ち寄って現物出資するケースで活用できます。

ただし、財産の評価額を過大に計上すると後々問題になるため、客観的に妥当な金額(中古市場価格など)を設定することが重要です。

どの財産を、いくらで、どちらが出資するのかを2人でしっかり話し合い、その評価額が資本金の比率、ひいては議決権の比率に直結することを理解した上で活用しましょう。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

2人での会社設立で失敗しないための契約とルール

気の合うパートナーと2人で会社を設立するのは、大きな夢の実現に向けた第一歩です。

しかし、どんなに親しい間柄でも、お金や経営方針が絡むと意見が対立し、深刻なトラブルに発展するケースは少なくありません。

ここでは、共同経営を成功に導き、万が一の事態に備えるために不可欠な「契約」と「ルール」について、設立前に必ず押さえておくべきポイントを解説します。

「言わなくても分かるだろう」という甘い見通しは、後のトラブルの火種となります。

会社設立の段階で、お互いの役割と報酬について明確なルールを定めておくことが極めて重要です。

業務分担については、それぞれの得意分野や経験、希望を基に「誰が」「何を」「どこまで」責任を持つのかを具体的に決めましょう。

例えば、一方が営業とマーケティング、もう一方が開発と経理を担当するなど、責任の所在を明確にすることで、業務の重複や抜け漏れを防ぎ、効率的な経営が可能になります。

役員報酬は、出資比率だけでなく、それぞれの業務内容、拘束時間、想定される貢献度などを総合的に考慮して決定します。

設立当初は同額でスタートする場合でも、会社の業績や個人の貢献度に応じて報酬を見直す際の具体的な基準や時期をあらかじめ話し合っておくべきです。

決定した内容は必ず議事録に残すか、後述する共同経営契約書に明記しておきましょう。

会社の所有権やメンバー構成に関するルールは、経営の安定性を左右する重要な要素です。

特に2人での経営では、パートナーの意向が会社に与える影響が非常に大きくなります。

株式会社の場合、定款に「株式の譲渡には取締役会(または株主総会)の承認を要する」という株式譲渡制限を設けるのが一般的です。

これにより、パートナーの一方が勝手に第三者へ株式を売却し、知らない人物が経営に介入してくる事態を防ぐことができます。
これは共同経営において必須の取り決めと言えるでしょう。

また、将来の事業拡大に伴う新メンバーの追加(株式会社なら増資、合同会社なら社員の追加)や、逆にパートナーの一方が会社を辞める(株式の買取、持分の払い戻し)際のルールも定めておく必要があります。

特に合同会社の場合、社員が脱退する際には持分の払い戻し請求権が発生し、会社の資金繰りに深刻な影響を及ぼす可能性があります。

脱退時の持分評価額の算定方法や支払時期、手続きについて定款や契約書で具体的に定めておくことで、不測の事態に備えることができます。

定款は会社の基本的なルールを定めたものですが、共同経営者間のより細かな約束事をすべて網羅することはできません。
そこで有効なのが「共同経営契約書」の作成です。

これは、2人の間で起こりうる様々な問題を想定し、その解決策をあらかじめ文書で定めておくものです。

口約束だけに頼らず、法的な拘束力を持つ契約書を交わすことで、万が一意見が対立した際の拠り所となり、無用な紛争を回避できます。

共同経営契約書に記載すべき主な項目は以下の通りです。

契約項目定める内容の例
経営理念・事業目的事業を通じて目指す方向性や価値観の共有
役割分担・権限各パートナーの担当業務、責任範囲、決裁権限の明確化
役員報酬・利益分配報酬の決定基準、金額、支払時期、業績に応じた見直しルール
意思決定の方法株主総会や取締役会の運営ルール、意見が対立した場合の最終決定方法(代表者の判断、第三者の仲裁など)
株式・持分の取り扱い譲渡制限、パートナーが死亡・脱退した場合の株式(持分)の買取価格や手続き
脱退・除名の条件任意脱退の手続き、パートナーに重大な規約違反があった場合の除名条件と手続き
競業避止義務在任中および退任後に、会社の事業と競合する事業を行うことの禁止に関する取り決め
秘密保持義務会社の営業秘密や顧客情報を外部に漏洩しないことの約束
紛争解決トラブルが発生した際の協議方法、解決しない場合の調停や裁判所の合意管轄

共同経営契約書は、会社設立の準備段階で作成するのが理想です。

自分たちだけで作成することも可能ですが、法的な有効性や網羅性を確保するため、弁護士や行政書士といった専門家に相談し、自分たちの状況に最適化された契約書を作成することを強く推奨します。

これは、未来のトラブルを防ぐための最も賢明な投資と言えるでしょう。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

2人での会社設立に関するよくある質問

2人で会社を設立する際には、特有の疑問や不安が生じやすいものです。

ここでは、共同経営を検討している方々から特に多く寄せられる質問について、専門的な視点から詳しく解説します。

事前に疑問点を解消し、スムーズな会社設立と円満な共同経営を目指しましょう。

夫婦や親子といった親族間での会社設立は、意思疎通のしやすさや強い信頼関係といったメリットがある一方、特有の注意点が存在します。

プライベートな関係性が経営に影響を及ぼす可能性があるため、事前の取り決めが極めて重要です。

主な注意点は以下の3つです。

  1. 公私混同のリスク
    仕事とプライベートの境界が曖昧になり、経営上の合理的な判断よりも感情が優先されてしまう危険性があります。
    また、家庭内の問題が直接経営に影響を及ぼすことも考えられます。
    業務分担や役員報酬、経費の扱いなど、ビジネスとしてのルールを明確に定め、公私をきっちり分ける意識が不可欠です。
  2. 税務・社会保険上の取り扱い
    生計を同一にする親族への役員報酬は、金額の妥当性を税務署から厳しく見られる傾向があります。
    不相当に高額な報酬は損金として認められない可能性があります。
    また、社会保険は原則として加入義務があるため、適切な手続きが必要です。
  3. 関係性の変化によるトラブル
    万が一の離婚や相続が発生した場合、会社の株式(持分)が財産分与や遺産分割の対象となり、経営権を巡る深刻なトラブルに発展する可能性があります。
    会社の存続を揺るがしかねないため、定款や共同経営契約書で株式の譲渡制限や相続時の取り扱いについて、あらかじめ明確に定めておくことが非常に重要です。

会社法上、資本金は1円からでも会社を設立できます。

しかし、これはあくまで法律上の最低額であり、実務上は事業を円滑に進めるための適切な金額を設定することが推奨されます。

資本金額を決める際の判断基準は次の通りです。

  • 当面の運転資金:会社設立直後はすぐに売上が立つとは限りません。
    事務所の家賃、仕入れ費用、人件費、広告費など、売上がなくても事業を継続できるだけの資金として、少なくとも3ヶ月分、できれば6ヶ月分程度の運転資金を資本金として用意するのが一つの目安です。
  • 社会的信用度:資本金の額は、会社の体力や信用度を示す指標の一つと見なされます。
    金融機関から融資を受ける際や、大手企業と取引をする際には、資本金の額が審査項目に含まれることがあります。
    あまりに少額だと信用を得にくくなる可能性があるため、事業内容や取引先の規模に応じて適切な額を検討しましょう。
  • 許認可の要件:建設業や人材派遣業など、特定の事業を行うためには、許認可の取得要件として一定額以上の資本金(自己資本)が定められている場合があります。
    自社が始める事業に許認可が必要かどうか、事前に必ず確認してください。

2人で設立する場合、出資比率が経営の主導権に直結します。

安易に金額を決めるのではなく、事業計画と双方の役割を基に、慎重に協議して決定しましょう。

役員報酬は、原則として自由なタイミングで変更することはできません。

法人税法上、役員報酬を会社の経費(損金)として計上するためには、一定のルールを守る必要があります。

役員報酬を変更できるのは、原則として「事業年度開始の日から3ヶ月以内」です。

この期間内に株主総会(合同会社の場合は社員総会)で決議し、その事業年度中は決定した金額を毎月同額で支払い続ける必要があります。
これを「定期同額給与」と呼びます。

もし期中の好きなタイミングで報酬額を増減させてしまうと、損金として認められない部分が発生し、結果的に法人税の負担が増えてしまう可能性があります。

これは、経営者が利益の状況を見て意図的に報酬額を操作し、税金を不当に安くすることを防ぐためのルールです。

ただし、以下のような特別な事情がある場合は、期中の変更が認められることもあります。

  • 役員の地位や職務内容が大きく変わった場合(例:平取締役から代表取締役への就任)
  • 会社の経営状況が著しく悪化し、役員報酬を減額せざるを得ない場合

業績が好調な場合でも、安易に期中で報酬を増額すると税務上のリスクがあるため、顧問税理士などの専門家に相談しながら慎重に進めることが重要です。

2人で経営する場合も、報酬の決定・変更ルールについては事前に共通認識を持っておきましょう。

2人での会社経営において、意見の対立は避けて通れない問題です。特に出資比率が50%対50%の場合、意見が対立すると何も決められなくなる「デッドロック」状態に陥り、経営が完全に停滞してしまうリスクがあります。

最も重要なのは、設立前に意見対立時の解決ルールを「定款」や「共同経営契約書」で明確に定めておくことです。

万が一対立してしまった場合は、まずそのルールに立ち返り、冷静に対処することが求められます。

具体的な対処法と、そのために事前に準備しておくべきルールを以下の表にまとめました。

対処法具体的な内容事前に定めておくべきルール
話し合いによる解決感情的にならず、会社の理念や事業計画に立ち返って議論します。
客観的な視点を取り入れるため、顧問税理士や弁護士など信頼できる第三者を交えて協議することも有効です。
共同経営契約書における「経営理念」や「紛争解決に関する協議義務」の条項。
最終決定権(キャスティング・ボード)の行使あらかじめ決めておいた一方のパートナー、あるいは特定の役員が最終的な決定権を行使し、膠着状態を打開します。定款や共同経営契約書で、特定の議題に関する最終決定権者を定めておく規定。
株式(持分)の買取(バイアウト)一方のパートナーがもう一方の株式や持分を買い取り、経営から離脱してもらう方法です。
経営を継続したい場合の有効な選択肢となります。
共同経営契約書や株主間契約における「株式買取請求権(バイセル条項)」や「買取価格の算定方法」。
会社の解散・清算どうしても合意形成ができず、事業継続が困難になった場合の最終手段です。
会社を法的に消滅させ、残った財産を出資比率に応じて分配します。
定款や共同経営契約書における「解散事由」の規定。

意見が対立したときに備えて事前にルールを決めておくことは、お互いの信頼関係を壊さず、事業を守るための生命線となります。

設立準備の段階で、必ず弁護士などの専門家を交えて協議しましょう。

まとめ

2人での会社設立は、株式会社なら約20万円、合同会社なら約6万円から実現可能です。

社会的信用や将来の事業拡大を重視するなら株式会社、コストを抑え自由な経営をしたいなら合同会社が適しています。

しかし、共同経営で最も重要なのは、費用や手続き以上に、2人の間のルールを明確にすることです。

出資比率や役員報酬、業務分担などを定めた「共同経営契約書」の作成は、将来のトラブルを防ぎ、強固なパートナーシップを築く上で不可欠です。

本記事を参考に、最適な会社形態を選択し、盤石なルールのもとで事業を成功させてください。

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