定年後の会社設立で年金は減額される?損しないための注意点と手続きまとめ

1. 定年後の会社設立で年金は減額されるのか

定年退職後に会社を設立して自ら役員に就任する場合、受け取る役員報酬の金額や社会保険の加入状況によって年金の一部または全額が支給停止となり、受け取れる年金額が減額されるケースがあります。

会社の代表取締役をはじめとする役員であっても、法人から一定の報酬を受け取り厚生年金保険に加入していれば、法律上は会社員と同様の「被保険者」として扱われるためです。

厚生年金保険に加入しながら受け取る老齢厚生年金を「在職老齢年金」と呼びます。

日本年金機構の規定に基づき、役員報酬と年金の月額合計が一定の基準額を超えると、年金給付の調整が行われます。

支給停止の対象となる基準額(支給停止調整額)は毎年度見直されており、月々の収入がこの基準内に収まっていれば年金は全額支給されますが、役員報酬(総報酬月額相当額)と老齢厚生年金(基本月額)の合計が基準額を上回ると、超過分の2分の1に相当する年金がカットされます。

支給停止額の具体的な計算式は以下の通りです。

◆ 基本月額 -(基本月額 + 総報酬月額相当額 - 支給停止調整額)÷ 2

項目内容の定義
基本月額加給年金額を除いた老齢厚生年金(報酬比例部分)の年間受給額を12で割った月額換算額
総報酬月額相当額毎月の役員報酬(標準報酬月額)に、直近1年間の役員賞与などの総額を12で割った額を足した金額
支給停止調整額在職老齢年金で支給停止が発生する境界となる月額基準(法律に基づき年度ごとに改定)

会社を設立した場合、代表者1名の法人であっても社会保険(健康保険・厚生年金保険)の強制適用事業所となります。

そのため、法人の代表として役員報酬を受け取る場合は原則として厚生年金保険へ加入する義務が生じ、在職老齢年金の適用対象となります。

会社員時代の「給与」は会社設立後は「役員報酬」へと名称が変わりますが、年金制度上の計算においては同等の報酬として扱われます。

定年退職前と同水準の高額な役員報酬を自社から受け取る設定にすると、現役時代と同様に年金の大半が支給停止となる点に留意が必要です。

在職老齢年金による支給停止の仕組みは、すべての年金に一律で適用されるわけではありません。

日本の公的年金は2階建て構造になっており、役員報酬の多寡によって減額される年金と、まったく影響を受けずに満額受給できる年金に明確に分かれています。

年金の種類在職老齢年金による減額影響詳細
老齢基礎年金(1階部分)減額されない(影響なし)役員報酬がいくら高くても支給停止の対象外となり、原則として満額がそのまま支給される
老齢厚生年金(2階部分)減額される(対象)基本月額と総報酬月額相当額の合計が基準額を超えた場合、超過分に応じて支給停止が発生する
加給年金(家族手当部分)全額停止となる場合がある老齢厚生年金の報酬比例部分が全額支給停止になると、付随する加給年金も全額支給停止となる
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2. 定年後の会社設立で年金を減額させずに満額受給する方法

定年後に会社を設立した場合でも、役員報酬の金額や受け取り方、就任形態を工夫することで、老齢厚生年金を1円も減額されずに満額受け取ることが可能です。

在職老齢年金の仕組みを正しく把握し、自社の事業計画や世帯の生活設計に合わせた最適な方法を選択する必要があります。

在職老齢年金による支給停止を防ぐ最も確実な方法は、毎月の役員報酬(標準報酬月額)と老齢厚生年金の基本月額の合計を支給停止調整額以下に設定することです。

日本年金機構の在職老齢年金の基準において、合計額が基準額を超えない範囲に収まっていれば、年金は全額支給されます。

法人の役員報酬は原則として事業年度ごとに「定期同額給与」として定めるため、期首に年金受給額を把握したうえで逆算して役員報酬額を決定します。

具体的には、受給予定の年金月額と役員報酬の合計を次のように調整します。

老齢厚生年金(基本月額)設定可能な役員報酬の目安年金の受給状態
月額10万円基準額から10万円を差し引いた金額以下老齢厚生年金を満額受給
月額15万円基準額から15万円を差し引いた金額以下老齢厚生年金を満額受給
月額20万円基準額から20万円を差し引いた金額以下老齢厚生年金を満額受給

役員報酬として給与を受け取らず、会社の利益を株主への「配当金」として受け取る手法も有効です。

配当所得は社会保険の標準報酬月額の算定対象外となるため、どれだけ多額の配当金を受け取っても年金の減額対象にはなりません。

ただし、配当金は法人税を支払った後の利益から分配されるため、給与のように損金算入できない点に注意が必要です。

また、月額報酬を低く抑えつつ、税務署へ事前に届け出る「事前確定届出給与」を活用して年に1回〜数回まとまった賞与形式で受け取る方法もあります。

賞与も「総報酬月額相当額」の計算に含まれるため年金減額の判定対象にはなりますが、月々の資金繰りや法人の損金算入のタイミングを柔軟にコントロールする選択肢として機能します。

自身が設立した会社の代表権を外し、非常勤役員(取締役や監査役など)として関与することで、社会保険(厚生年金・健康保険)の加入要件から外れる手法があります。

社会保険に加入しない立場であれば、在職老齢年金制度の適用対象外となるため、役員報酬をいくら受け取っても年金は一切減額されません。

非常勤役員と認められるためには、日本年金機構が定める勤務形態の実態基準を満たす必要があります。

代表権を持つ代表取締役は原則として常勤とみなされるため、代表権を持たない役員に就任したうえで、以下の条件を満たすよう実態を整える必要があります。

判定項目非常勤役員と認められる基準
勤務形態取締役会への出席など限定的で、毎日の定時勤務を行っていない
業務執行権代表権を持たず、法人の日常的な業務執行を直接担っていない
労働時間・日数常勤役員や正社員の労働時間・日数の4分の3未満である

設立した会社で家族が実際に業務を担当できる場合は、配偶者や子どもを役員に登載して役員報酬を分散して支給する方法が効果的です。

本人の役員報酬を年金が支給停止にならない水準に抑え、残りの業務対価を家族役員へ支払うことで、世帯全体の可処分所得を維持しながら年金を満額受給できます。

所得が分散されることで、個人にかかる所得税や住民税の累進課税負担を軽減できる税務上のメリットも生まれます。

ただし、役員報酬を経費(損金)として計上するには、役員としての職務実態や業務量に見合った金額を設定していることが前提となり、名義だけの役員に不相応な高額報酬を支払うと税務調査で否認されるリスクがあるため注意が必要です。

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3. 定年後に会社設立するメリットと個人事業主との違い

定年退職後の起業では、個人事業主として活動するか、法人(会社)を設立するかという選択が最初の分岐点となります。

税負担の最適化や取引先との契約関係、社会保険の加入義務など、両者には明確な違いが存在します。

シニア世代の起業においては、事業規模や予想される収益だけでなく、年金受給への影響も含めた総合的な損得勘定が不可欠です。

個人事業主と法人では、課される税金の構造が大きく異なります。

個人事業主の事業所得にかかる所得税は、所得金額が上がるにつれて税率が5%から45%まで段階的に高くなる超過累進税率が採用されています。

一方、法人税は原則として比例税率であり、特に資本金1億円以下の中小法人は、年800万円以下の所得部分に対して法人税の軽減税率が適用されます。

そのため、一定水準以上の利益が出る事業では、法人化によって所得税と法人税の税率差を活かした税負担の軽減が可能です。

また、法人の場合は役員報酬を損金(経費)として処理できるうえ、受け取る役員個人側でも給与所得控除が差し引かれます。

法人の利益を圧縮しながら個人側の課税所得も控除できるため、所得の二重控除効果による節税が成立します。

さらに、経費として算入できる範囲の広さも法人の利点です。

自宅兼オフィスの家賃の法人負担(役員社宅の活用)、出張旅費規程の作成に基づく非課税の出張日当の支給、将来の退職に向けた役員退職金の損金算入など、個人事業主にはない多様な経費化手段が用意されています。

事業で赤字が発生した場合の青色欠損金についても、個人事業主の繰越期間が最長3年であるのに対し、法人では最長10年間にわたって赤字を繰り越して将来の黒字と相殺できるため、長期的な税務コントロールが容易になります。

定年後の起業において法人格を取得することは、取引先の獲得や契約手続きを円滑に進めるための重要な要素となります。

特に企業間取引(BtoB)の分野では、コンプライアンス基準や社内規定により「個人事業主への業務委託は原則不可」「取引口座は法人名義に限る」といった制限を設けている発注元が少なくありません。

法人は登記によって代表者名、資本金、事業目的、本店所在地などが公的に開示されるため、個人の事業展開に比べて高い客観的信用を得られます。

定年前の勤務先や関連企業から顧問業務や専門業務を請け負う場合でも、法人という契約主体を用意しておくことで発注元の稟議や社内決裁が通りやすくなる実情があります。

また、金融機関からの融資調達や特定の許認可申請を行う際にも、法人登記が完了している実体企業であること自体が信用力の裏付けとして有利に働きます。

定年後の起業形態を選択する際は、設立手続きの手間や税率、信用力、社会保険の適用ルールなどを多角的に比べる必要があります。

主な違いを整理した一覧は以下のとおりです。

比較項目個人事業主法人(株式会社・合同会社)
開業手続きと費用税務署への開業届提出のみ(費用0円)定款認証や登記申請が必要(約6万〜25万円程度)
赤字時の税負担所得税・住民税所得割は非課税(実質0円)赤字でも法人住民税の均等割(年約7万円〜)が発生
適用税率の構造所得税の超過累進税率(5%〜45%+住民税10%)法人税等の比例税率(年800万円以下は軽減税率)
赤字(欠損金)の繰越最長3年間(青色申告)最長10年間(青色申告)
社会的信用力個人名義のため企業間取引で制限を受ける場合あり商業登記により実体が公開され高い信用を確保
社会保険の加入義務国民健康保険および国民年金が基本健康保険および厚生年金(役員1名でも強制加入)
年金(在職老齢年金)への影響事業所得は支給停止の計算対象外役員報酬の金額に応じて厚生年金が減額・停止

3.3.1 設立費用と維持コストの違い

個人事業主は、税務署に開業届を提出するだけで事業を開始できるため、設立時の法定費用はかかりません。
対照的に法人を設立する場合は、法務局へ納める登録免許税(株式会社で15万円〜、合同会社で6万円)や、株式会社における公証役場の定款認証手数料など、設立手続きの段階でまとまった初期費用が必要となります。

また、事業を継続するうえでの維持コストにも明確な違いがあります。個人事業主は年間の所得がゼロまたは赤字であれば、所得税や住民税の所得割は課税されません。
しかし法人の場合は、業績が赤字であっても、自治体内に事業所を置いていること自体に対して課税される法人住民税の均等割(最低でも年間約7万円)を毎年納付し続ける義務が生じます。
さらに、法人の決算書作成や法人税申告は手続きが専門的であるため、税理士への報酬費用がランニングコストとして発生する点も考慮しなければなりません。

3.3.2 社会保険と年金への影響の違い

定年後のシニア起業において最も注意を払うべき相違点が、社会保険制度の枠組みと老齢厚生年金との連動関係です。

個人事業主として活動する場合、加入先は原則として「国民健康保険」および「国民年金」となります。
個人事業主が得た事業所得は、在職老齢年金制度による年金支給停止の算定対象に含まれません。
したがって、個人事業主であればどれだけ多額の事業利益を上げても老齢年金が減額される心配がないという大きな特徴を持ちます。

一方、会社を設立した場合は、社長1人の法人であっても社会保険(健康保険および厚生年金保険)への加入が義務付けられます。
会社から役員報酬を受け取ると「厚生年金保険の被保険者」となり、報酬の月額相当額と老齢厚生年金の受給額の合計が基準額を超えた場合には、老齢厚生年金の支給停止(減額)措置が適用されます。
そのため、定年後に法人を設立する場合は、年金受給と役員報酬のバランスを考慮した経営設計が不可欠です。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

4. 定年後の会社設立で損しないための注意点

定年後の会社設立では、事業の見通しだけでなく、法人の維持費や社会保険、退職に伴う公的給付の仕組みを正しく把握しておく必要があります。

事前の資金計画や手続きの順序を誤ると、想定外の支出が生じたり受給できるはずの給付金を逃したりするリスクがあります。

会社法上は資本金1円から法人を設立できますが、極端に少額の資本金でスタートすると、設立直後の運転資金不足や金融機関からの信用不足につながります。

一方で、手元の退職金を過剰に資本金へ投じると、事業が軌道に乗らなかった際に老後資金を大きく減らしてしまう回収リスクが生じます。

資本金の額を設定する際は、設立後数か月分の固定費や運転資金をまかなえる金額を目安としつつ、消費税の免税事業者要件も考慮します。

設立1期目の資本金または出資金が1,000万円未満であれば、原則として設立当初の消費税納税義務が免除される仕組みが設けられています。

初期費用を抑えて早期に回収するためには、自己資金の全額を投入せず、数か月分の運転資金に見合う金額にとどめる判断が有効です。

個人事業主と異なり、法人は決算が赤字であっても毎年必ず納付しなければならない税金があります。

それが自治体に納める「法人住民税の均等割」です。

法人税や法人税割は利益(課税所得)が出なければ課税されませんが、均等割は法人が行政サービスを受ける対価として、資本金や従業員数に応じて定額で課税されます。

総務省の法人住民税に関する基準によると、資本金1,000万円以下・従業員50人以下の標準税率は次の通りです。

税目の区分標準税額(年額)
都道府県民税(均等割)20,000円
市町村民税(均等割)50,000円
合計負担額(最低額)70,000円

売上が立たない事業年度であっても、法人が存続している限り年間最低約7万円の固定コストが発生し続けるため、年間維持費としてあらかじめ資金計画に組み込んでおく必要があります。

定年退職後に会社を設立する場合、役員報酬を受け取るか否かによって健康保険の加入先と保険料の負担額が大きく変わります。

退職後の健康保険には主に3つの選択肢があり、各制度の特徴を把握したうえで選択することが重要です。

選択肢加入条件・特徴保険料の算出基準と負担
設立法人の健康保険役員報酬が支給され、法人の社会保険(被保険者)に加入する役員報酬額(標準報酬月額)に応じて算出。法人と役員個人で折半して負担
前職の任意継続健康保険退職後20日以内に申請。最長2年間加入可能退職時の標準報酬月額に基づき全額自己負担(上限額の設定あり)
国民健康保険法人で無報酬とする場合など、被用者保険の対象外となった場合に加入前年の所得や世帯人数に基づき自治体ごとに算出。全額自己負担

定年退職直後は前年の給与所得が高いため、国民健康保険料が高額になるケースが多く見られます。

一方、設立した会社で役員報酬を低めに設定して法人の健康保険に加入すれば、健康保険料の自己負担額を抑えられる場合があります。

役員報酬の支給予定額と前年所得を比較し、最も保険料負担が少なくなる選択肢を試算しておくことが求められます。

定年退職後に雇用保険の基本手当(失業保険)を受給しようと考えている場合は、会社を設立するタイミングに注意が必要です。

失業手当は「働く意思と能力があり、積極的に求職活動を行っている失業状態の人」を対象とした給付であるため、法人の代表取締役に就任して登記を完了した時点で失業状態とはみなされず、受給資格を失います。

失業手当を受給しきる前に会社を設立する場合でも、受給資格決定後に一定の受給残日数を残して事業を開始すれば、厚生労働省の雇用保険制度における再就職手当の支給対象となる可能性があります。

再就職手当を受給するためには、待期期間満了後に開業することや、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っていることなどの要件を満たさなければなりません。

退職後に失業手当や再就職手当の受給を検討している場合は、会社設立の手続きを始める前に管轄のハローワークで受給要件と開業日の扱いを確認し、不利益が生じないスケジュールを組むことが不可欠です。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

5. 定年後に会社設立する具体的な流れと必要手続き

定年退職後に会社を立ち上げる場合、会社形態の決定から登記、その後の行政機関への届出まで、決められた手順に沿って手続きを進める必要があります。

全体の流れを把握しておくことで、無駄な費用や手戻りを防ぎ、スムーズに事業を開始できます。

法人を設立する際、まずは「株式会社」にするか「合同会社(LLC)」にするかを選択します。

定年後のシニア起業においては、事業規模や取引先の属性、設立にかかる初期コストを考慮して決定することが重要です。

比較項目株式会社合同会社(LLC)
設立時の登録免許税最低15万円(資本金の0.7%)最低6万円(資本金の0.7%)
定款認証手数料約3万〜5万円不要(0円)
初期費用の目安(実費)約20万〜25万円約6万〜10万円
社会的信用・知名度高い(一般認知度が高い)株式会社に比べるとやや劣る
役員の任期最長10年(再任手続きと費用が必要)無制限(更新手続き不要)
適しているケース対外的な信用を重視するBtoBビジネス、出資を募る事業自己資金での1人起業、コンサルティング、スモールビジネス

取引先が大企業中心で法人格の知名度が営業に影響する場合は株式会社が適していますが、自身のスキルを活かしたコンサルティング業や1人ビジネスであれば、設立コストと維持管理の手間を抑えられる合同会社が合理的です。

会社の基本原則を定めた「定款」を作成します。定款には、商号(会社名)、事業目的、本店所在地、発起人の氏名および住所、資本金額、発行可能株式総数などを記載します。

株式会社を設立する場合は、作成した定款を本店所在地を管轄する公証役場へ提出し、公証人による「定款認証」を受ける義務があります。

合同会社の場合は定款認証が不要です。

定款を紙で作成すると4万円の収入印紙代がかかりますが、電子定款を作成してオンラインで提出すれば、印紙税4万円を節約できます。

個人で電子定款認証を行う環境が整っていない場合は、行政書士や司法書士への依頼、または会社設立クラウドサービスの利用が一般的です。

定款認証(合同会社は定款作成)の完了後、資本金の払込みを行い、法務局へ登記申請を行います。

登記申請を行った日が会社の「会社設立日(創立記念日)」となります。

  • 資本金の払込み:発起人の個人名義の銀行口座に、発起人名義で資本金を振り込みます。通帳の表紙・裏表紙・振込履歴が記載されたページのコピーをまとめ、「払込証明書」を作成します。
  • 登記用書類の準備:登記申請書、定款、印鑑届出書、就任承諾書、払込証明書、発起人の印鑑証明書などを揃えます。あわせて、会社の代表者印(会社実印)を事前に作成しておく必要があります。
  • 登記申請:本店所在地を管轄する法務局の窓口へ持参、郵送、または登記・供託オンライン申請システムを通じて申請します。

登記申請後、通常1週間から10日程度で登記が完了し、登記事項証明書(登記簿謄本)や印鑑カードが法務局で取得できるようになります。

法人の登記が完了した後は、金融機関での法人口座開設と並行して、税務署・地方自治体・年金事務所への届出を速やかに行います。

期限が短く設定されている書類もあるため注意が必要です。

提出先主な提出書類提出期限
所轄の税務署・法人設立届出書
・青色申告の承認申請書
・給与支払事務所等の開設届出書
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
設立から2か月以内(青色申告申請は設立から3か月以内または最初の事業年度終了日の前日のいずれか早い方)
都道府県税事務所および市区町村役場法人設立届出書各自治体の条例による(設立から15日〜1か月以内が一般的)
所轄の年金事務所・健康保険・厚生年金保険 新規適用届
・健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届
事実発生(設立および役員報酬決定)から5日以内

税務手続きの詳細や様式については、国税庁「内国普通法人等の設立の届出」で最新の要件を確認できます。

また、法人で役員報酬を受け取る場合は、社長1人の会社であっても日本年金機構の社会保険への新規加入が法律で義務付けられています。

現在では、マイナポータル上の「法人設立ワンストップサービス」を利用することで、税務署・自治体・年金事務所への届出をオンライン上で一括して完了させることも可能です。

 

会社設立オンライン

この記事では、会社設立の流れと必要なステップを初心者にもわかりやすく解説します。なぜ会社を設立するのか、どのような種類の…

6. まとめ

定年後に会社設立をする場合、役員報酬と年金の受給額に応じて在職老齢年金制度により年金が減額される可能性があります。

年金を減額させずに満額受給するには、役員報酬を基準額未満に抑えるか、非常勤役員への就任や家族役員への所得分散を検討してください。

法人は社会的信用や節税面で有利ですが、赤字でも法人住民税の均等割などの維持費が発生します。

個人事業主との違いや失業保険の受給タイミングを把握したうえで、事業規模に合わせた法人形態を選び、登記や税務・社会保険の手続きを進めましょう。

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